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2008年3月30日 (日)

前川國男邸

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小金井市にある江戸東京たてもの園に行ってきました。ちょうど桜の満開の時期で、隣接する小金井公園は花見で大混雑でした。今回は、前川國男邸を見ることでした。前川國男はル・コルビジェ、A・レーモンドのもとで修業し、戦前から戦後にかけて活躍した建築家です。とくに美術館博物館建築は埼玉県立博物館、東京都美術館、東京文化会館など有名な建物が残っています。この自宅は昭和17年に竣工した建物です。その当時、住宅は100平米以内という法律があって、その範囲内で造られた建物です。ですから、間取りは居間と寝室、書斎、女中部屋と台所風呂などの水廻りがあるだけで、今でいうと3LKということになります。実にシンプルでいながら、心地よい空間を作っています。

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書斎は窓を広くとり、反対の寝室と対象を作っています。まあ、そんなにお金をかけなくても、設計によって、こんなにも心地よい空間が作り出せるのは、設計の妙なのでしょう。

それよりも、感心したのは、この建物を復元した経緯がよくわかることです。ここで入手した『前川國男邸復元工事報告書』はなんと第6版にもなっていました。この報告書には、復元工事の仕様から、残っている部材リストなどが掲載され、また、専門協力業者の名も書かれていて、どれを補ったか、どういう工事をしたのかの詳細がこと細かく書かれているのです。

これが、復元工事の基本だと思います。この本を見れば、どこをどう新設したのかがわかるのです。しかも、その当時、この建物を見ていた関係者に聞き込み調査までしているのです。これなら、復元者の変てこりんな創作意図が入り込みません。これが重要なのです。

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コメント

私は前川国男邸に感動しました。居間で庭に向かってたってみると、これはル・コルビジュエのユニテ・ダビダシオンと全く同じ設計になっていることに気がつきました。
窓の桟の造りや左手のモデュロールに基づいた階段もダビダシオンそのものでした。
建築の専門家にとっては当たり前のことだったのかも知れませんが、私には先人の影響を受けると言うことが、ここまで鮮明に出ているのを見て、そのことに感動しました。

いいですよね、前川國男自邸!
あの建物に一泊でもいいからしてみたい!
できれば夏に。
報告書の存在は私も最近知ったのですが、6刷まで出ているとは予想外。
近々入手したい一冊です。

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