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2008年7月 6日 (日)

仏像の記述

最近、読んだ雑誌の論文に、山本勉「仏像の調査ー目黒・海福寺の阿弥陀如来立像を例にして」『清泉文苑』23号 平成18年3月刊 があります。ある仏像を調査したときのいはば、ドキュメンタリーとして、その経過が書かれています。調査に至った経緯、実際にお寺で、どのような調査方法で、どういう調査をしたか、その後、その調査ノートをどのように整理しているか、といったことを、ひとつひとつ細かく記述してあります。

相当むかしの学生時代に、同じように調査をした経験が思い出されました。あの頃は、何もわからず、いきなりノートを取らされたり、ゆっくり観察するひまもなく、ただ写真を撮ることに精一杯だったような記憶があります。調査の段取りがこのような経験談の形でも、事前にわかっていたなら、もっと充実した調査ができていたかもしれません。その意味では、調査を行うマニュアルがあってもいいのかな、とおもいます。すべてが、マニュアル通りでは、実際の調査に役にはたたないのは、わかりきっていますが、少なくとも、調査時に冷静な判断ができる体勢ができているのとないのでは、その、充実度が違います。

Photo 仏像の調査は、『日本彫刻史基礎資料集成』の記述方法が、今や、標準になっています。これについては、田邊三郎助「仏像の記述」『講座日本美術史』1 平成17年4月刊 に詳細にわたって書かれているので、それに譲りますが、いわゆる各地で行われている調査報告書には、大体これに添った記述が行われているようです。

しかし、その大体がじつはクセモノなのです。というのは、くしくも同じ『講座日本美術史』1に塚原晃「美術史研究者のデジタル・ソリューション」という論文があります。これは、美術作品のデータベース構築についての問題点を洗い出した論文です。これは絵画についてですが、彫刻作品についても、同様の問題をかかえています。わたしの経験からいえば、調査の時に、何を記述するのか、記述用語の標準化をどうしたらできるのかが、これからの課題なのです。

というのも、調査報告書の電子化、いわゆるデータベース化するには、記述方法の標準化が必要なのです。ひとつの形態を表現するのに、複数とおりある記述方法では、電子化に支障がでるのです。

これからは、電子化を念頭にいれた調査方法、調査技術を確立しないと、あとで、禍根を残すことになります。

今、ステンドグラスのことで、頭がいっぱいなのです。まだ、見たいステンドガラスがいっぱいあります。といって、来週行く、関西旅行のスケジュールも奈良博と大津博以外まだ決まっていないし、このブログもカウンターがどんどん加速していくし・・・・・・・・

ああ!!ブログの重圧でパニックになりそう!!

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仏像」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
私はとある美術系大学で、文化財保存修復について学んでいる大学生です。

2,3回、仏像の調査につれて行ってもらう機会があったのですが、何をすれば良いのかがさっぱり分からず、
カメラや露出計の操作や、調書の取り方も知らなかったため、指示待ち人間と化してしまいまして・・・。

元来、てきぱきと動けるタイプではなかったため、余計に焦ってしまい、はっきり言っていてもいなくても・・・みたいな人員になってしまったことがあるんです。

なので、この記事にもあるように調査の手順などのマニュアルといいますか。あれば、すごく助かるなぁと感じました。

本来はそういった調査も先輩から聞いて学んでいくものだとは思うんですが、現場でどうすればよいですか、これはなんですか、と聞いて説明してもらうことも、調査の時間が限られてる場合は先輩や先生にも手間だと思いまして・・・。

実際はたくさん色んなことを教えていただきましたが、どうにも覚えきれないことと、まだ消化不良なことが多くありまして。

調査の基準となるとされている、紹介された本(田邊三郎助「仏像の記述」『講座日本美術史』1 平成17年4月刊 )は、確か大学の図書館にあったかと思うので早速借りてこようと思います。

まずは自分で教えてもらったこと、覚えてる限りの調査の手順を文字に起こして整理してみようと思います。
カメラのことも自分で勉強してみます。

将来この道の職につけるかは別として、大学にいる限りは、動ける人員になれるように頑張ります。
こういつも頑張るんですが、実際は結構失敗してしまいますが・・・。

でも、どうにか頑張りたいと思います。

非常に為になる記事、ありがとうございます!

だらだらと個人的なことを書いてしまってすみません。

失礼します。


 仏像の調査で必要なことは、調査手順を覚えることではありません。そんなことは、回数を重ねれば誰でもできることです。
一番大事なことは、仏像を穴のあくほど“見る”ことです。
いままで調査した仏像の形を覚えていますか? 右手はどんな位置にありましたか?それをすぐに思い出せますか?
“見る” ことと “見える” ことは別なのです。しっかりと“見る”こと、これが基本です。
問題
 綾瀬はるか はどの時代の仏像の目に似ているでしょうか?すぐに答えられますか?

ご返信して下さっていたんですね・・・!

全く気付いていなくてすみません、ネットサーフィンの末に見つけた貴サイトの記事へのコメントでして、今日またもネットサーフィンで再び訪れ、気がつきました。

とても嬉しいです。ありがとうございます!そして返信に気が付かなくて、本当にすみません。

二年遅れで申し訳ないですが、せっかく出題して下さったので、答えたいと思います。


綾瀬はるかの目・・・ですよね。おっとりとしていて綺麗な目、でしょうか・・・。

落ち着きがあって、優美な目というと、平安時代の定朝様だったりするのかな、とわたしは思いました。
あっているかとても不安ですが・・・。

わたしは現在、幸福なことに、自分の目標でもあった仏像の修復に携わらせて戴いておりまして、自分自身、日々勉強し観察しているつもりなのですが、まだまだ至らない点も多いため、まだ自信が持てませんが・・。

答えを教えていただけたら嬉しいなと思いますが、何分二年前のコメントの件ですので、目を通していただけるだけでも嬉しく思います。

これから仏像にここまで近くで関われることはないと思うので、今出来ることに全力を尽くしたいと思います。そして、個人的にもお寺を巡り、仏像を見る目を養っていきたいと思います。

長文・乱文失礼いたしました。

それでは失礼致します。

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