『運慶流』展

山口県立美術館の『運慶流』展は、カタログに載っている仏像が33件です。実際は、佐賀県立美術館でのみ出品するものもあるので、30件ほどだったでしょうか。ほとんどが、ガラスケースに入っていない生で見られるようにしてありました。おまけに、目の高さに展示してあり、およそ30㎝ほどの距離で生で見られるというのは、観覧者にとって非常にありがたいのですが、逆にあまりに顔を近づけることができるので、セキュリティは大丈夫なのか心配になるほどでした。
展示はいわゆる慶派の流れの中で、特に康慶からの系譜をたどった展覧会です。鎌倉時代以降の仏像の展覧会は2・3年前の『宿院仏師』展以来でしたが、特に南北朝時代を取り上げたのは初めてではないかとおもいます。
これで、鎌倉時代以降の仏像史をある程度整理できるようになったとおもいます。しかも、仏像は九州の作品を主とし、関西の仏像も含めて、広い範囲からの出品で、一地方の美術館としては、実に意欲的な作品の展示だったとおもいます。しかし、おしむらくは、もっと作品を出してもらいたかったというところですが、これが、地方美術館の限界か、あるいは、このようなテーマの展覧会は国立博物館のやるべき展覧会かとも思います。それにしても、よく企画した展覧会だとおもいます。
その中で、注目は二人の康俊です。展覧会では、「南都大仏師」と「東寺大仏師」とに分けていますが、今まで、康俊は二人いるとはわからなかった仏師です。
そのうちの康俊(東寺大仏師)の作品が数点ありましたが、よく見ると、これが南北朝の仏像かと思われるほど、実にできのいい作品です。技術のよさがきわだっています。時代が下がるといわゆるプロポーションがくずれて、形式化がはじまるのですが、形の破綻が見られません。相当の技量を持った仏師と見ました。
それにしても、山口県所在の仏像が一体もありません。それなのに、何故、山口県立美術館なのかわかりません。地元の見学者はそれに違和感をおぼえていないところを見ると、山口県人はじつに、グローバルな感覚の持ち主なのかなあ、とおもいます。










































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