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2008年12月28日 (日)

運慶の思い出

Photo 『芸術新潮』が久しぶりに仏像の特集をしました。このところ注目をあびている「運慶」です。

運慶の判明している全作品を時系列に見ていくと、改めて運慶のすごさがわかります。いままでは、断片的にしか見てこなかったせいか、今ひとつ運慶の作品の流れがつかめなかった一面がありました。

それは、願成就院像と浄楽寺像がどうも結びつかなかった気がしたからでした。しかし、全体的に見てみると、運慶の作風の共通性がなんとなく感じられるような気がします。

それにしても、運慶という作家の変遷を整理してまとめてくれると、なるほどと納得することしきりです。

昔、大学院生だった頃、先輩から誘いを受けて、浄楽寺の調査に同行することができました。調査者は久野健氏。写真は田枝幹宏氏でした。浄楽寺の収蔵庫で、田枝氏は助手の人にライテイングをさせて、8×10のカメラで写真を取っていました。久野健氏は仏像を見ながら、大学ノートにちょこちょことメモをしていました。

Photo_2 収蔵庫の中には、寺側の人が立ち会っておらず、我々しかいませんでしたので、仏像の背面を撮影しようということになりました。どうも、仏像を動かすことは、寺側の許可を取っていなかったらしく、お寺の人がいないうちに取ってしまおうということになって、仏像を台座ごとを回転することにしました。撮影の間、じゃまがはいるとまずいので、収蔵庫の外で、見張りをすることになりました。私と、久野健氏の娘さん(当時はまだ高校生だった。)と収蔵庫のそとで、見張番でした。彼女はその当時はあまり仏像には興味がなかったらしく、入口の外の階段に坐って文庫本を読んでいました。

 

 

 

 

 

Photo この時の写真は、のちに『運慶の彫刻』(昭和49年10月刊)という本として出版されました。今、この本を見てみると、そこにとりあげている運慶の仏像は、円成寺、願成就院、浄楽寺、東大寺南大門、興福寺北円堂、金剛峯寺、六波羅蜜寺の諸像だけでした。

最近発見の光得寺、真如苑、称名寺光明院像はもちろんのこと、滝山寺、興福寺仏頭、東大寺重源像もこの本ではとりあげていなかったのです。

その間30数年にこれだけ作品がでてくるとは、実に隔世の感があります。

快慶も作品が数多く発見されています。最近でも、善光寺にある像がそうかもしれないという報道がありました。快慶はさらに多くの作品がありますので、それを時系列で見せてくれる日が待ち遠しくおもいます。

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コメント

私も今月号買いました。表紙がいいです。今日も、パソコンの横に持って来て眺めていたところでした。
ミケランジェロもいいけど、やはり運慶は天才です。玉眼のまなざしがいいです。哲学してます。円成寺の大日など、あれが20代の作品なんて信じられません。

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