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2009年5月29日 (金)

奈良博より

 奈良博へは、『鑑真和上展』を最終日の前日にすべりこみました。鑑真像は数年前、唐招提寺御影堂で、東山魁夷の襖絵を背景に厨子の中にはいっているのを見ました。今回はガラスケースの中に入っている像です。どちらがいいかというと、遠くからでも、御影堂の中に安座している像のほうが威厳があって、ありがたさが違います。博物館では、確かに四方からみることができましたが、それがどうした?という気がします。鑑真の像としての威厳の感じ方は細部を観察することではないとおもいます。細かいことをいうときりがないので、鑑真像については論評しないこととします。

Photo さて、この展覧会で、はた、と足がとまった仏像があります。木心乾漆造の菩薩頭です。乾漆部分はほとんど剥落していますが、目をみると、右目は完全に乾漆層が剥落して、木部が現れています。その彫りは、まさしく大法寺の観音菩薩像のように、眼球のふくらみをあらわしていました。そのうえに乾漆層があって、そこから眼の表現をしたのでしょうが、それにしても、眼球がふくらみすぎています。これから、数ミリでも乾漆層を重ねると、眼がとびでるようになってしまうのでは、と危惧するほどです。

最近、仏像の眼の彫り方が気になり、注意して見ているのですが、普通の仏像(如来、菩薩像)では、あまり眼球にふくらみをつけることがないのですが、その中でも眼球のふくらみをつけて、そこにマブタを彫るという仏像があるのが、見受けられます。

 

 

 

 

 

Photo_2 その一例が、奈良博の常設展にありました。セゾン美術館の聖観音菩薩立像です。この仏像は元奈良市・瑞景寺の所蔵で一木造です。この仏像の眼は、眼球にふくらみをつけて、それに上下のマブタを彫っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_3 今回は出品されていませんでしたが、唐招提寺の木心乾漆造の仏頭もまさしく同様の彫り方をしています。この像は右眼はマブタが残っていますが、左眼は乾漆が剥落しているため、大法寺のように眼球の下に線が見えるような彫りをしています。

如来、菩薩像で、このように眼球にふくらみをつけ、それからマブタを彫るという表現方法は、何かとってつけたというか、元から、眼の表現を計画して彫っているようには、どうも見えないのです。現に、大半の如来、菩薩像はそんなに眼球がふくらんではいませんし、ちゃんと眼の表現を計画した上で彫り進んでいます。

このような、眼球にふくらみをつけて、それから上下のマブタを彫るという表現が、いわゆる「目のない仏像」とどういうかかわりがあるのかは、いまのところわかりません。関係ないのかもしれません。しかし、眼球のふくらみをつける顔の表現方法とは、どういうことなのかは、もうすこし作例をピックアップしてみないと、何ともいえません。いまのところ、どうも眼の表現も多様な方法があるということを認識しておくべきかなとおもいます。

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コメント

ご無沙汰してます。
「鑑真」像昔から出張が多く、軽いから?
学生時代は京博で。
(膝がでかい?)
でもいいです。
奈良は近いので、障壁画といっしょに。
入り口前の茶店は昔のまま?
今度奈良に来るときは連絡ください。
名古屋か近いです!!

鑑真は昔からよく出張で頑張ってました。
最初は学生時代の京博。

膝がでかいけど、いいですね。
奈良は近いので御開帳とかで行きます。
最近は仏像ブームで大勢の人、そういえば阿修羅展も。

唐招提寺の木彫はどれもが目に印象があります。
(獅子吼?)
如来形とるそは判りまっせんが。
今度奈良に来るときは連絡ください、運転手やります。

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