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2009年10月 1日 (木)

古本市から

所用で、新橋に行ってきました。仕事をこなした後、新橋駅のSL広場を通ると、青空古本市が開かれていました。ちょっと、覗いていると、ファイルが10数冊ならんでいるのが目にとまりました。その中に背表紙に「仏像」とかかれたものが1冊ありました。手にとってみると、仏像に関する新聞の記事の切り抜きでした。好事家が几帳面に貼り付けたものかな、それにしても、そんなものが古本に並ぶのがちょっと不思議でした。よっぽど価値があると、古本屋が認めたものなのかな、ともおもいました。値段を見ると、300円です。それにしては、古本屋は切り抜いた本人の手間に対して、あまりにも低い評価しかしていないようです。

家に帰って、見てみると、およそ昭和54年から平成10年3月までの、おもに、毎日と日経新聞の切り抜きのようです。それをパラパラとめくっていくと、いはば、現代の彫刻史か、彫刻話題史というものが見えてきました。

昭和55年8月7日の記事は、山口の菩提寺山の石仏の記事でした。そして、同年11月6日には、清水俊明氏の反論記事が載っています。

昭和58年には、交野・八葉蓮華寺や、奈良・安養寺で快慶作の阿弥陀如来像が発見された、という記事があります。

Photo そして、このファイルで一番多く切り抜かれていた記事は、奈良国立博物館で開催された『菩薩展』に出品されていたガンダーラ仏の真贋論争です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_2 発端は昭和62年5月2日の記事からでした。その後、その仏像の購入経過に不透明なことがあり、本来の真贋論争とは話がずれていきましたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_3 昭和62年7月3日、専門家による研究協議会なるものが行われましたが、決着がつかないまま真贋論争は裁判で決着をつけることとなったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_4 結局、購入者の亀廣氏は、国に損害賠償をを求めた裁判に敗訴し、結果最高裁判所は、真贋の判断をしないという結論で終わってしまいました。それが平成8年11月26日のことだったようです。

最終的には、真贋の判断がいまだ不明という状態で、何とも消化不良で終わっています。今も亀廣医院には、その石仏が誰も注目されず、あるということのようです。

それにしても、この新聞切り抜きファイルはよく整理されています。古本市にはおなじ人とおもわれるファイルがありましたが、鉄道とか、事件という分類でファイリングをしていたようです。ほんとに几帳面な人だったようです。

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コメント

新橋の古本市、近くなのに行ったことがないんですよね。灯台下暗しというか、いつやるという情報が入ってこないというか・・・。
鉄道のファイル、どんなんだったんでしょうね。残念です。

  新橋の古本市は特徴のある古本屋が来ていて、私は楽しみにしています。逗子に店がある‘船越書房’は、千社札や、木版刷りの引き札などが時々出るので、それを狙っていきます。今回はテレビでも紹介してましたので行きたかったのですが、行けなくて残念でした。
私も電話帳を台帳にしたスクラップブックを高校時代から作ってましたが整理不能になり、段ボール4箱分の切り抜きは12年前廃棄してしまいました。 今、読み返したい資料もいくつかあります。それを思うと残念ですが、新聞はすべて縮尺判があるので、どうしてもの場合は検索が可能と思うことで諦めました。他人から見れば、黄ばんだ古新聞にしか見えません。ゴミそのものです。

真贋論争の口火を切った田辺勝美さんから直接お聞きしました(【】内)

【この件は岡田元三越社長時代の贋作事件にも関わりがあったようで、関係者の中には東京大学某教授などの権威を失墜させることにもなりかねないということと、ガンダーラ仏の専門家が田辺さんのほかにいない(もともと田辺さんは深井晋司元東大教授=古代イラン美術史=の弟子で、ペシャワール大学に3年間留学)ということもあり、真贋を論ずる人たちがいなかったことが田辺さんには不利、購入者および弁護側には有利にはたらいたようです。】

この一件で田辺さんは母校(東大)にもどれなくなりました。観る眼のまったくない高田修氏など官立大学お年寄りと結果的に相反する立場を貫いたわけですから。で、金沢大、中央大の行脚を余儀なくされた。ただ、田辺勝美の名は欧米の学界、専門家のあいだで(ガンダーラ仏の権威として)よく知られています。

この種のことは東大にかぎらず早稲田文学部にもあったりするのでしょうか?

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