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2009年12月 4日 (金)

日吉神社(赤後寺)菩薩立像

Photo 先日、拝観した日吉神社(赤後寺)の二体の平安仏のうち、菩薩像を見ていると、腰の部分に布を巻いているのがその時、気になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_2 写真をとりながら、腰の中心をみると、釘のような痕跡がありました、正面で布が絞られているので、結び目の表現を後で付けただろうという想像はつきました。

あとで、側面や背面の写真を見てみると、確かに幅の広い布を装飾のように巻いているのがわかります。

3

他に、こんな着衣の仏像があるのか、写真集などでざっと見てみましたが、見あたりません。

この仏像に関しての論考は、数編あり、それも読んでみましたが、これに注目している論文は見あたりませんでした。以下この仏像を記載している論文を挙げると、

○田中義恭「日吉神社の二菩薩像」『MUSEUM』219 1969.6.1

○久野健「日吉神社の千手観音菩薩像及び菩薩立像」『美術研究』266 1969.11.29

○田中日佐夫「湖北の美術」『古美術』29 特集湖北の美術 1970.3.30

 以上の3編には、この腰布のことは記載されていない。

○文化庁『昭和45年度 指定文化財修理報告書』 1978.3.

 形状の項目に「裳の上に腰布をつけ、・・・・・」

○西川杏太郎『日本の美術』224 近江の仏像 1985.1.15

 腰帯の記載はあるが、腰布の記載はない。

○宮本忠雄「湖北の仏像たち」『仏像を旅する「北陸線」』 1989.10.10

 「腰布や裳を締める紐、裳の折り返し部などの表現は古様である。」

○高梨純次「滋賀・高月町日吉神社木造千手観音立像をめぐってー近江彫刻史の地域研究(一)湖北における仏教彫刻の成立ー」『滋賀県立近代美術館研究紀要』4 2002.3.20

 「幅の比較的に狭い腰布を巻き、正面では平滑としてその中心に鉄釘が残っており、結び目を別材で表していたとみられる。」

宮本忠雄氏の「この表現は古様である」とは、他にその例をご存知なのでしょうか。この腰布は機能として巻いているのではなく、この仏師は何か今までとは違った表現をしようとしたのか、その当時の最先端ファッションを直ちに取り入れたのか、いずれにしても、既成の表現を変えようとした意図が見えるような気がします。

読者の皆様、こんな例をもし御存知ならばお教えください。

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コメント

鎌倉彫刻には散見するものだと思います。

 同時代の平安仏を気にしていたので、鎌倉時代までは思い至りませんでした。
運慶の高野山八大童子像、瀧山寺像、快慶のボストン美術館像、肥後定慶の大報恩寺准胝観音像にありました。不動明王の童子像など仏画にもあるようです。調べればまだまだありそうです。
とすると、このファッションはかなり古くから続いていたのでしょうか。それとも、何か機能的な意味があるのでしょうか。ちょっとおもしろそうですね。
現代の女性がロングスカートの上にこの腰布を巻いていると、ファッションの評論がしやすいですね。
でも、“腰布”という用語はちょっとセンスがありませんな。

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