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2010年9月12日 (日)

マフラーとストール

Photo  最近、若い人で、女性に限らず、男性でも取り入れているファッションに、首にゆるく巻いている細長い布があります。これを、マフラーと言ったらいいのか、ストールと言ったらいいのか、疑問に思っていました。名前がなければ買うにも不便であることは間違いのないことです。

デパートの中に入ると、売れ筋なのか、1階の目立つ所に展示していました。それには、「マフラー」と「ストール」の両方が併記してあります。

一般に「マフラー」といえば、毛織物など防寒用として使われる布なので、夏に着用するものではないという、先入観がありますが、こと流行に関してはそんな常識は通用しないようです。夏にマフラーをしたければ、涼しい汗を吸い取る素地にすればいいことで、現に、これを「コットンガーゼマフラー(ストール)」と言うのだそうです。

 

 

Photo_2 すると、先日、ジュリア・ロバーツが来日したときの空港のファッションが、クソ暑いときになんと首に厚いマフラーをして現れたのが注目をあびました。これは、調べてみると、ある有名ブランドの秋冬物のストールだそうで、欧米のセレブでは、流行しているファッションだそうです。

こうなると、マフラーとは?、とかストールとは?、といった定義は現代のファッションでは必要ないのかもしれません。

でも、ほしい人が、ネットでさがすにも、その名前がわからなければ、探しようがありません。今の購買者はそんなことは、聞けばすぐわかることとして、問題にもならないのでしょうか。あるいは、誰それが着けているものがほしい。と言えばわかるのでしょうか。

 

 

 

 

 

翻って、美術史とくに服飾史の分野で、このような布を着用してると、その名前が確定していないと、執筆者がそれぞれ適当な名前をつけて混乱してしまいます。

Photo_3

唐時代では、披巾あるいは披帛という名であることは、以前書きましたが、もう一回首に巻けば、現代の使い方とまるで一緒です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Photo_4 日本でも同じような長さで、領巾(比礼)というのがあると、述べましたが、法隆寺五重塔の塑造(東11、西13)侍者像では、もうすこし短い布を使っているようです。しかも、単に首に掛けているのではなく、ちょっとシャレて端の一方を襟に中に入れています。何か、今流行のマフラー(ストール)のシャレた巻き方に共通しているようです。

これは、現代でいうと、マフラーなのでしょうか、それともストール?

こればかりは、現代のファッションと違って、名前なんてどうでもいいじゃない。という訳にはいかないのです。

すくなくても、それが使用されていた当時は、名前があったはずです。そうでなければ、不便でしょうがないのは言うまでもないことです。

わからなければ、現代でいうと“こういうもの”と表現してもいいのではないかと思うのです。

現代では、「スカーフ」なのに「肩布」といったり、「襷」なのに、これも「肩布」といったのでは、混乱するばかりです。また、腰帯は「腰巻ストール」といってもいいのではないでしょうか。

ところが、現代でも「マフラー」か「ストール」かが確定できないのでは、どうしようもないか。

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