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2011年9月13日 (火)

『日本の美術』休刊

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 一ヶ月余りの夏休みをとらせていただきました。といっても、休んで何もしなかった訳ではなく、我が家の大震災復興事業をしておりまして、何とか、倒壊した本棚の復旧が終わりました。後は、どう本がはみ出ないかに、シフトすることになります。

さて、そうこうしている内に、至文堂発行の雑誌『日本の美術』が今月の545号をもって休刊となりました。

実に45年あまりにわたって続いた雑誌でした。

 

 

 

 

 

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第1号が発行されたのは、私が高校3年の新学期がはじまる頃でした。新聞の広告か何かで知ったのだとおもいます。すぐに、近所の本屋さんに定期購読の申し込みをしました。定価が490円と高校生の小遣いでも買える値段だったのと、カラー写真が豊富に掲載されていたのが、魅力だったとおもいます。

受験勉強をしながら、毎月、今度はどんなテーマででるのだろうかとわくわくして、待っていました。それにもまして、1年間購読すると、帙がもらえるというオマケも魅力でした。

そして、その近所の本屋も閉まり、そこで勤めていた人が宅配専門の本屋をはじめ、毎月届けてもらうようになりました。それも10数年つづくと、そのオジサンも高齢になり、廃業してしまい、また、近所の本屋に定期購読の申し込みをしたりして、1号も欠かさず手元に置くことができました。

この雑誌は、毎月欠かさず発行されていたのではなく、たった1回だけ、月が空いたことがありました。それは、41号(1969年9月)から42号(1969年11月)になるとき、10月が抜けたのです。

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また、最終号の巻末に全タイトルが掲載されていますが、それ以外に、2004年1月25日に発行された宮島新一「風俗画の近世」というタイトルの別冊がでているのです。したがって、『日本の美術』は全546冊になるのです。

休刊のお知らせにもあるように、この雑誌は、今までの雑誌の概念を越えるもので、各号がちょうどひとつの展覧会のカタログのような体裁で編集されていました。

この雑誌の編集の方針で、各国立博物館の職員に執筆させたことが、実にうまく機能していたのです。

まず、博物館員は、美術品などの写真を、実際に豊富に提供できる立場にあり、その博物館員に執筆させたのですから、写真の掲載に手間がかからなくなります。

 

 

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しかも、博物館員は、自らの研究テーマを存分に書ける機会が与えられたのですから、両者ともうまくいかないはずはありません。

しかし、500号を越えると、さすがに、テーマの選定に四苦八苦している様子がうかがわれました。もうそろそろかな、というときに、発行所が“至文堂”から“ぎょうせい”に移りました。しかも、経費節減で、帙の提供を中止してしまいました。

こうなると、もう昔のひと時代が、終わってしまった感がありました。

惜しい というよりもご苦労さまでした。ということでしょうか。

この本は普通の雑誌とは違って、持っていても、すこしも邪魔になるものではありません。ちょっと知りたいときに、いつでも使うことができるからです。その当時、興味のないテーマであっても、我慢して購読していたのが、役立つことになるような気がします。

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いま、『春秋堂文庫』にその内容も含めて、文献目録を掲載すべく、校正をしています。

近々にUPできるとおもいます。乞うご期待。

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コメント

  イヤァー壮観ですねぇー。全546冊。でも休刊=廃刊。No.443「金工技術」、No.453「染織品の修理」など、他には見られないテーマがあって、まだまだ捉えられるテーマはあったと思うのですが、残念です。
  高校の一つ後輩がぎょうせいの営業マンだったので、時々この本を届けてくれました。至文堂が左前になって、ぎょうせいが肩代わりをしても難しかったのですネ。
  この本に限らず、出版文化が激しく衰退していくのを見るのは寂しいものがあります。

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