検索キーワード
滋賀県立琵琶湖文化館の『研究紀要』第18号の論文の末尾に[キーワード]という項目があります。それは、筆者が自ら、その論文のキーワードを設定して、項目としてリストアップしたものです。このような書き方をする論文がわずかではありますが、出てきています。
図書館のNDCのような分類方法の他に、文献目録データベースの中には検索しやすいようにキーワードを設定しているものがあります。たとえば、日本印度仏教学会のデータベース(INBUDS)では、キーワードとして、[地域][時代][分野][人物][文献][述語]の6項目を設定しています。しかし、これは、データベースの入力者が設定したもので、論文の筆者が設定したものではありません。
その意味で、筆者自らがキーワードの指定をするのは、画期的といえるかもしれません。また、その設定の責任が明確になることで、そのキーワードの的確性がでてくることは明らかです。
ところが、そのキーワードの設定の仕方にも、一定のルールが必要なのです。たとえば、この紀要の論文に山下立「新出の在銘習合像二例」という論文の末尾にある[キーワード]には 神仏習合、本地仏像、神像彫刻、心の御柱 の4語があげられています。
この論文を読んでみると、雷八幡神社木造阿弥陀三尊像と樋之上八幡神社木造男神像の2件の仏像、神像の紹介です。とすると、キーワードに 阿弥陀三尊像や男神像 があってもいいのかなとおもいます。
つまり、キーワードを選択する方法として、この論文の主題を的確に表現する言葉でなければならないことと、一般につかわれている言葉でなければならないのです。
そうでないと、検索者がそのキーワードを頭に浮かべるとき、非常に特殊な言葉では、検索の言葉を入力できないのです。
いわゆる自然言語による検索は、よく使われている言葉しか検索語として使われない傾向にあります。ところが、仏像といういはば特殊な分野では、仏教用語とか一般に使われない言葉が多いのです。誰でもそのキーワードを思いつくには限界があるということです。ということは、キーワード辞書をつくり、ある程度決まった言葉で検索する必要があるということになるのです。
そして、その辞書の記載されている言葉でのみキーワードとして使用するということになります。そうでないと、たとえば、この論文のキーワードで、「神像彫刻」を検索したとき、それに関する論文がもれなくヒットできるかという問題がでてくるのです。
先日、シソーラスの話をしましたが、これこそシソーラスの出番なのです。
いずれにしても、論文に筆者自らキーワードを付けるという習慣は、もっと普及してもらいたいとおもいます。いつかこれが役に立つときがきっときます。そのときのために、今からしっかりとしたルール作りが必要なのでしょう。





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