コンピュータ

2009年1月 6日 (火)

検索キーワード

Photo 滋賀県立琵琶湖文化館の『研究紀要』第18号の論文の末尾に[キーワード]という項目があります。それは、筆者が自ら、その論文のキーワードを設定して、項目としてリストアップしたものです。このような書き方をする論文がわずかではありますが、出てきています。

図書館のNDCのような分類方法の他に、文献目録データベースの中には検索しやすいようにキーワードを設定しているものがあります。たとえば、日本印度仏教学会のデータベース(INBUDS)では、キーワードとして、[地域][時代][分野][人物][文献][述語]の6項目を設定しています。しかし、これは、データベースの入力者が設定したもので、論文の筆者が設定したものではありません。

その意味で、筆者自らがキーワードの指定をするのは、画期的といえるかもしれません。また、その設定の責任が明確になることで、そのキーワードの的確性がでてくることは明らかです。

 

 

Photo_2 ところが、そのキーワードの設定の仕方にも、一定のルールが必要なのです。たとえば、この紀要の論文に山下立「新出の在銘習合像二例」という論文の末尾にある[キーワード]には 神仏習合、本地仏像、神像彫刻、心の御柱 の4語があげられています。

この論文を読んでみると、雷八幡神社木造阿弥陀三尊像と樋之上八幡神社木造男神像の2件の仏像、神像の紹介です。とすると、キーワードに 阿弥陀三尊像や男神像 があってもいいのかなとおもいます。

 

 

 

Photo_3 つまり、キーワードを選択する方法として、この論文の主題を的確に表現する言葉でなければならないことと、一般につかわれている言葉でなければならないのです。

そうでないと、検索者がそのキーワードを頭に浮かべるとき、非常に特殊な言葉では、検索の言葉を入力できないのです。

いわゆる自然言語による検索は、よく使われている言葉しか検索語として使われない傾向にあります。ところが、仏像といういはば特殊な分野では、仏教用語とか一般に使われない言葉が多いのです。誰でもそのキーワードを思いつくには限界があるということです。ということは、キーワード辞書をつくり、ある程度決まった言葉で検索する必要があるということになるのです。

そして、その辞書の記載されている言葉でのみキーワードとして使用するということになります。そうでないと、たとえば、この論文のキーワードで、「神像彫刻」を検索したとき、それに関する論文がもれなくヒットできるかという問題がでてくるのです。

先日、シソーラスの話をしましたが、これこそシソーラスの出番なのです。

いずれにしても、論文に筆者自らキーワードを付けるという習慣は、もっと普及してもらいたいとおもいます。いつかこれが役に立つときがきっときます。そのときのために、今からしっかりとしたルール作りが必要なのでしょう。

2008年12月31日 (水)

シソーラス

440 『MUSEUM』440号で、コンピューターの特集を組んだのは、1987年11月号でした。ちょうど、その年の6月に東芝のJ-3100というラップトップを大枚はたいて買って、悪戦苦闘中だった時です。その頃は、大型コンピューターでしかできなかったことが、いわゆるパソコンでも可能なレベルに近づいた時期でした。そのため、この特集は論文というよりも、パソコンで何ができるか、というパソコンの機能の紹介のようなものでした。美術史学としての興味は、画像処理の方にむいていたようにおもいます。

しかし、パソコンという得体の知れない物を手元に置いて、何をしようかと考えたとき、個人でできるのは、文献目録しかないとおもいました。まだまだ画像処理は大型機でしか、できるレベルにはなっていませんでした。

それで、データベースソフトを使って、データベースの構築に労力を使うことにしました。『MUSEUM』454号(1989年1月)に「機械処理による目録データの加工」という論文が掲載されました。これは、東京国立博物館の所蔵品の目録をデータベースにするという作業についての経験談のようなものでした。

Photo_2 紙に書かれた収蔵品目録をいかにしてデータベースソフトに入力するかという論考でしたが、要は、紙に書かれたデータはそのままでは、書式が統一されておらず、文章での解説は、データベースとしての機能におさまらないので、紙台帳を加工しなければならなかったのですが、そのために、新たに紙台帳をつくりなおしたり、データの入力を外部委託したために、その作業要領を作成しなければならなかったり、実に非効率なやり方でした。しかも、使用するソフトはバージョンが古いものを使用するといった具合でした。

これは、コンピューターのソフトを扱える、または、その機能に熟知している美術史研究者がいないために、データベース設計が自由に行えなかったことによるものでした。当時、その論文を読んで、何てめんどくさいことをやっているのだろうと、歯がゆさを感じたものでした。

 

 

Photo その一方で、美術史のデータベース作成の研究もすこしずつですが、進んできました。筑波大学では、『日本美術シソーラスデータベース』の研究が1992年からはじまりました。おもに絵画のデータベースの構築をめざしたようです。ここで、問題となったのが、日本美術のシソーラス作成の問題です。シソーラスとは、『類義語辞書』とでもいうべきもので、言葉(専門的主題語=ディスクリプタ)をグルーピングして、階層化することによって、検索もれを防ぐものです。つまり、美術史に使われる用語をピックアップして、その上下関係を明確にした、木構造にすることなのです。

ということは、美術史において使われている用語のしっかりとした定義が必要となるのです。また、新しい概念が現れれば、その更新もしなければなりません。

筑波大学は、結局のところ、データベースの構造と、いくらかの分類をしただけで、このプロジェクトは終了してしまいました。

既存の美術史用語を蒐集し、それからシソーラスを構築しようとしたことに、何らかの問題があったようにおもいます。美術史用語のしっかりとした、定義がなければ、木構造として配置することは不可能です。

「半跏像」とは、「踏下像」とは、といった定義がなければ無理なのです。その作業ができていなかったのではと思います。

そして、今や検索は、自然言語によるのが主流になってしまっていますが、それでもシソーラスの有効性はまだ消え失せてはいないと思います。誰がやるのかだけなのですが。

今年3月よりはじまったこのブログ、何とか年を越せそうです。読者の皆様には、影日向に、ご支援をいただきまして、何とか続けることができました。来年もまた、今年と相変わりもせず、ご支援ご鞭撻をよろしくお願いいたします。 謝。

2008年3月 1日 (土)

はじめまして

Photo_3

はじめましてブログをはじめました。

日記は今まで、いつも三日坊主でしたので、いつまでつづくやら。以前から、他の人のブログにコメントを入れて、楽しんできましたが、とうとう、おまえも書けと、脅迫され、ブログなるものを始めるはめとなりました。

今も続けている、文献目録のデータ入力もままならないところに、さらにまた、別の頭を使うのは、容量を越えた脳の酷使でなのですが、まあしょうがないとあきらめの心境です。

上の写真は、小生の自宅での机の前の雑然とした風景です。こんなところで日々入力に没頭しております。

ちなみに、モニターは24inchが2台並列に並べ、本体は机の下にあります。モニターの上の表は、コード表、これが3枚あります。左は、地域コード、真ん中は、年表(年号と西暦の対照表)右は時代コードです。

できるだけ、合理的な配置をこころがけていますが、まだまだ無駄がありそうです。それよりも、細かい字が読めなくなってきたのは、誤算で、このコード表をもっと大きな字に印刷しなければと、余計な仕事がまたふえて。

これから、気張らずに、こつこつと書いていこうとおもいますので、励ましの程をお願いいたします。なにせ、うしろからせっつかれないと動かないものですから。

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