早大旧図書館
早稲田大学旧図書館(2号館)の窓の新旧の写真です。旧図書館は、平成10年、會津八一記念博物館として生まれかわりました。開館して1年後、旧大閲覧室の窓の改修工事が行われ、右上のような外観に変わりました。どう違うでしょうか?
まず、サッシの見附が違います。現状のほうが太くなっています。また、当初のサッシの色は、薄いピンクがかった白色でした。今は、焦げ茶色に塗られています。
実は、この硝子工事は、私の会社で施行しました。もちろんこれだけではなく、博物館開館のための2号館改修工事のうちの、硝子工事の部分です。この窓は、スチールサッシで、パテで硝子を固定していましたが、サッシの腐食が進んでいて、そのために、硝子が何枚か破損していました。開館の時までに、サッシの改修工事を提案していましたが、予算の関係で、開館後に行われました。その時、私は、ゼネコンを通して、サッシをアルミにしてはどうかと提案しました。それは、スチールサッシでは、また同じように、腐食が進みやすく、塗装を数年ごとにしなければ、現状が保てない、というメンテナンス上の問題があったからです。しかし、アルミサッシにすると、サッシの見附がもっと太くなり、現状とずいぶん見栄えが違ってきます。
結局、施主(大学?設計?)の判断で、以前と近い意匠でということで、今回もスチールサッシになりました。しかし、以前はガラスをパテで固定していましたが、今回は、シリコンシーリングという、ゴム状に硬化する、充填剤を使用して、ガラスを保持しています。そのために、サッシの構造が若干違う形になっています。(見附が太くなったのはそのためです。)さらに、ガラスの内側には、透明のフィルムを貼って、硝子が割れた時の飛散防止機能を持たせました。このフィルムは、その素材から紫外線をカットする機能を持っており、一石二鳥の効果があります。
このように、改修工事によって、格段に性能のよい材料で、建物の延命がはかられましたが、それで、万々歳なのでしょうか?
そもそも、この工事は、復原工事なのでしょうか?確かに、外壁一面に這っていた蔦もきれいに取り除き、竣工時の色に塗装し直しました。でも、サッシの色を何故、焦げ茶色に塗ったのでしょう。これは、書庫の窓など他のサッシは、ブロンズのアルミサッシに入れ替えているために、そのバランズを取ったものと推測されます。
これは、改修工事なのです。決して、今井兼次の設計意図を汲んで、復原工事をした訳ではないのです。その辺のあいまいさは何なのでしょうか。
このことは、もっと掘り下げて考えなければいけない問題です。
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