アートブリック
上の2枚は早大文学部33号館玄関ホールにある開口部にガラスが入っている写真です。これを、ある人は岩田工芸硝子の作品であると言っていますが、違います。
上図は村野藤吾の書いた図面です。縮小でよく見えませんが、各務クリスタルアートブリックと材料の指定がされています。
各務クリスタルのカタログにはちゃんと「アートブリック」という商品名の製品が掲載されていました。つまり、早大文学部のロビーに取り付けられている硝子は各務クリスタル製の一般的な市販品だということです。この硝子はいわゆる中空ブロック(ガラスブロック)よりも数段高価で、建物の玄関まわりにいわばアクセントとしてよく使われていましたが、昭和60年に生産中止してしまいました。現在でも、昭和30~40年代に建てられたビルの玄関に使われているのを見ることができます。この硝子は工業製品なのですが、手作り感をだすために、工夫がなされていました。またどうのように施行されていたのかなどは、またの機会にします。
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