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2008年9月 2日 (火)

板硝子製造法

Photo_2  板硝子の製造はいつから?というのはむずかしい問題ですが、中世ヨーロッパではクラウン法によってある程度の板硝子は作っていました。工業製品として普及したのは、手吹円筒法がベルギーで1830年に発明されてからです。1851年ロンドン万国博覧会のパビリオンとして水晶宮(クリスタスパレス)が作られたのは、この手吹円筒法によるものです。

 

 

 

 

Photo_3Photo_4 日本では、明治42年(1909)に初めて、旭硝子がこの手吹円筒法によって、板硝子が生産されました。その後、旭硝子は大正3年(1914)ラバース式機械吹円筒法を導入し、20世紀に入ると溶融した硝子を垂直ににローラーで引き上げる方式が開発され、大量生産が可能になりました。現在は、溶融した硝子を溶融したスズ金属の上をすべらせ、表面張力によって、板硝子を平滑にするフロート硝子の製造が主になっています。

 

 

 

 

 

Photo_5 最近の社史はページごとに、小見出をつけ、写真を豊富に挿入して、まるで、プレゼンテーションソフトによるスライドを見ているようです。以前の社史といえば、やたらとページ数が多く、グラフとか数値を載せて、会社のいかにもPRという体裁だったのですが、その点では、スマートになっているようです。

しかし、社史というのは曲者で、良いことしか書いていないのです。ちょっと会社で対外的にあるいは、世間から批判をあびたことは、まず書かれていません。逆にいうと、その不祥事のあった、時期にどういう表現をしているかを、読み解くのが、社史を読む醍醐味と言えます。

以前、ある創業者が50年にもわたって社長に君臨していた会社の社史を読んだことがあります。社史にはその社長の経歴がたったの1ページにしか書いていないのです。いはば、その会社の歴史の中で抹殺されていたのです。何があったのかは想像に難くはないとおもいます。

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コメント

  ベルサイユ宮殿の鏡の間のガラスは、ベネチアから輸入したガラスです。フランスでは、板ガラスが造れなかったからです。ハプスブルク家のウイーン・シェーンブルン宮殿も板ガラスはイタリア製です。ヨーロッパでよく見る直径20cmくらいの丸い板ガラスが、この手吹円筒法で造られた板ガラスですね。だから、大きな平面のガラスを造ることは出来ませんでした。固体、液体の中間に、ガラス体を入れたいと高校の化学の教師がいつも言ってました。ガラスは固体と液体の融点が不明?なのだそうです。そうですか?
 ところで、社史50年の社長ですが、誰でしょう。老害の社長だったのですね。私は‘第一勧業銀行合併30年史’でしたかね。カミさんがもらってきたのを見て驚きました。装丁は実に立派で、全ページアート紙のグラビア印刷ですが、内容は人事のことだけ。顔写真がいっぱいの連続で、社会にどれだけ貢献したか、当社はどのような営業をしたかを書くでしょうがまったく記載なし。何だこれは、と驚いた記憶があります。銀行なんて、身内のお祝いには実に膨大な無駄をするのだなと呆れたものです。

ジョニ黒さんがヨーロッパで見た丸い硝子はクラウン法で作られた硝子です。ポンテをつけて遠心力でまわして作るので、真ん中が膨らんでポンテの跡がのこるのです。ヴェルサイユ宮殿の鏡は鋳造法によるものです。それは、ベネチアから硝子職人を引き抜いてフランスで作ったものです。
硝子は化学的にいうと固体化した液体なのです。融点がないからです。
その会社の社長だった人は、有名な仏教美術コレクターだった人です。一時は戦前の旧国宝も所有していました。
旭硝子のコマーシャルが北京オリンピックバージョンになって、カンフーのかわいい子供になってしまいました。以前は硝子(ショウコ)さんがベルギーに留学する話だったのですが。それからどうなったのでしょう?もう就職したのかな?

いろいろご教示ありがとうございます。帰って『モノができる仕組み事典』成美堂出版で調べて見ました。クラウン法、手吹き円筒法、そしてすずの上にガラスを流すフロートガラスの製法すべて出ておりました。私が思っていた手吹き円筒法はまったくやりかたが違っていました。やはり確認すべきですねぇ。クラウン法でも1mくらいの大きな円盤ができそうです。驚きです。

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