横浜開港記念会館ステンドグラス
昨日、横浜開港記念会館で講演会と見学会に地元の風俗研究家 南亭琴音弥氏と参加してきました。この建物にあるステンドグラスが今修復中で、その修復の説明と実際修復現場の見学が目的でした。
最初の講演のステンドグラス研究家田辺千代氏の話は、支離滅裂で、氏の著書を読んでいない人は何を言っているのか理解できたかな、といったたぐいでした。
実際にこのステンドグラスを修復している平山健雄氏の話は、今現在までどのような作業をしてきたかをスライドをまじえて、詳細に話してくれました。このステンドグラスはおよそ2026ピ-スあること、よごれの原因は、ススとタバコのヤニが主だということです。
さて、修復はどのようにしているのかでは、まず、はずした板にトレーシングペーパーをのせ、トレースして、鉛線をすべて外して、型紙の上にのせます。
そして、1枚1枚、超音波洗浄機(メガネ屋の店前にあるやつの大きい機械)で、よごれをとっていきます。今現在の作業がそれです。
中央の鳳凰のステンドグラスは、左右とは違ったやり方で、ガラスを外しています。つまり、鉛線を前後に切り離して、ガラスを外しているので、片面の鉛線がそのまま残る形にしてあります。
この鳳凰のステンドグラスは右半分が洗浄済、左半分が洗浄前だそうです。色の鮮やかさが全然ちがいます。洗浄が終われば、新しい鉛線でつなぐ作業がはじまります。
このステンドグラスは、9㎜の丸い真鍮棒が縦に補強として付けられていました。しかし、平山氏によると、とてもこんな棒では、高さ3mもあるステンドグラスを支えられないといいます。そして、今回の補修では、もっと違ったやりかたで補強すると言っていました。
果たして、それがどのような方法なのかは、聞きそびれてしまいました。ちょっと気になるのは、このステンドグラスを中心にして、ガラスをサンドイッチにするというような発言がありました。ひょっとして、ステンドグラスの両面に透明ガラスではさむという方法をとるとしたら、それは、ちょっとまてよ。と言いたくなります。透明ガラスを通してステンドグラスをみると、その透明ガラスが反射して、非常に見づらくなるのです。ステンドグラス本来の色の鮮やかさが鑑賞できなくなる恐れがあるのです。私の杞憂に終わってほしいのですが、まさか、そんな方法はとらないでしょうね。それも、今年中には判明するはずです。
毎週、月・水・金の日は、作業を公開していますので、どういう方法をとっているのかが逐一わかるはずです。誰かその報告でもしていただけないでしょうか。
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