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2008年10月17日 (金)

『秘仏への旅』展

Photo 島根県立古代出雲歴史博物館で10月4日から開催されている『秘仏への旅ー出雲・岩見の観音巡礼』展のカタログが、なんと東京の本屋の店頭に並んでいるのを発見して、さっそく購入しました。

まだ見ていない展覧会のカタログを、現物を見る前に見てしまうという、何か禁断の扉を開けるような、手品のネタを前もって見てしまうような心境です。

内容を見てみると、出雲・岩見地方の観音巡礼の寺にある仏像・絵画を中心に出品しているようです。出雲地方は、まだまだではありますが、一応主だった仏像の調査は進んでいるようですが、岩見地方は今まで、調査しているという情報がない地域です。今回、数体ではあっても、出品されたのは、目新しいことだと思います。

特に今回の目玉というべき、新発見の定徳寺の銅造観音菩薩立像は、注目すべき仏像です。カタログでは、法隆寺像と対比させていますが、確かに共通点が数多くあるようです。

このカタログでは、仏像を4方向から撮った写真を掲載しています。巻末には、島根県の観音霊場に関する史料も載せており、このカタログは資料としての使い方のできる本となっています。

ただ、惜しむらくは、これだけの仏像・仏画があるのですから、島根県の仏像・仏画といった総論があってもよかったのではとおもいます。論考の主なものは、観音巡礼に関することで、美術史的な論考がなかったのが、残念です。

私の知り合いで、もうすでにこの展覧会を見にいった方がおられます。ぜひ印象記を寄せていただければとおもいます。

さて、カタログを手に入れてしまったから、もう展覧会へは行かなくていいのか、といったら、そうも行かないのが、悲しいさがですな。実物の立体感を目に焼き付けることが、カタログという二次元のものとは絶対的に違うことを、体験するいい機会だと知ってしまっているのです。

でも、何の知識もなく実物を見て、その後カタログで復習したほうがいいのか、事前にカタログで予習して、その後実物をじっくり見たほうがいいのか、はむずかしい問題です。

最近は、事前に見たい対象を調べはしますが、その詳細までは、あえて知識をいれないで、まず自身の感覚を尊重するようにしています。しかし、この方法で一番注意しなければならないことは、その自分の感覚を過信してはいけないことです。ややもすると、自分の感覚が絶対だと勘違いしがちなのです。自身の感覚ほど、そのときの気分に左右されるいい加減なものだという自覚をもたないと、独善的になります。そこは気を付けないといけません。

逆に、事前に調べてから、実物を見ると、客観的な見方ができます。しかし、事前の知識はどうしても、細部にこだわる傾向にありますから、全体的な印象がどうしても薄れてしまいます。木を見て森を見ずということに陥りやすくなります。

どちらにして、しっかりと自分の脳に焼き付けることが必要ですが、これも、年齢という肉体的問題にぶちあたります。そうすると、あとは気力だけか。うーむ!

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コメント

一年半前に出来た、島根県立古代出雲歴史博物館、以前は松江城近く、官庁街の一角にひっそりと佇んでおりましたが、こんどは出雲大社のすぐ隣、立派な現代的建築に生まれ変わり、地の利を得たせいか10月12日の連休の最中、お昼に食堂が売り切れるほど混雑しておりました。
こんなに案内嬢の多い地方博物館は他にあるでしょうか。
開館まもなくなので、県もお金を出し、館も展示、企画に大変力をいれており、その一環として実現した展覧会でしょう。
一応、観音菩薩がメーンテーマのようで、西国三十三ヶ所開帳に
便乗したようなものですが、展示は各所から集められて、なかなか見ごたえがありました。展示室も広くゆったりしておりましたが、木彫の等身大の仏像など、背面まで見られるような工夫が欲しいところです。
カタログは立派で、表紙のハードなことなど東博の「木彫展」のモノの真似をしたような感じです。
カタログの写真と実物では、当たり前ですが、やはり大分印象がちがいます。
定徳寺の金銅聖観音像など、全くの法隆寺四十八体仏中の模造です。しかも出来は大変宜しくない。また、破損が酷く状態も悪いです。アマルガム塗金の痕もありません。真似て造ったのですが
出来が悪く、途中で破棄したような代物です。ただ、製作年代については、手にとって調べられないのでなんとも言えませんが、銅の色合いからするとあまり古くには見えません。(実物は写真よりくすんでいます。)
詳しい報告書がありますなら見てみたいと思います。
鰐淵寺蔵の2体はやはり立派です。
他の2体は問題ありです。なんでも新羅ですむものではありません。
意欲的に出品したという意味では評価できるでしょう。

平常展示も、出雲大社の昔の摸型とか、荒神谷や加茂遺跡出土の銅鐸、銅剣、銅矛など実物があって面白かったです。

荒神谷博物館は、銅鐸銅剣の出土地であり、興味f深いところですが、大変辺鄙な、車しか交通手段のない、来訪者にとって不便な場所にあります。仏像が結構でており、行った甲斐はありました。
法用寺の金銅仏が見られて良かったです。
ただ、小さなNPО運営の博物館ですので、企画展示のカタログがありません。パンフレットだけでした。県立博物館のカタログに、こちらの展示も一緒に載せればいいのに、この点物足りませんでした。
体力、知力の衰えが酷く、その時は一生懸命に見ていても、すぐに
印象が薄れてしまいます。情けないことです。記憶をたどる為、最近のやたらに重いカタログを持って帰らなければなりません。

10月11日夜22:00東京発サンライズ出雲に乗り、12日米子泊で、13日鳥取から電車で帰ってきました。連休のせいか、出雲は意外に込んでおりました。10日前でやっと切符がとれました。B寝台シングルで、まあ休めました。全体的に列車の中はキレイです。
レンタカーを借りましたが、乗り捨て場所が限られているので工夫が必要でした。
どうもいろいろ見たいので強行軍になってしまいますが、景色のいい、見所の多い地方ですので、本当はもっとゆっくりしたいところです。


「景色のいい、見所の多い地方」

投入堂踏破は私も某奇人も頑張りました。

奇人と同様またゆっくり行きたい所です。

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