仏像入門書
あっという間に連休が終わってしまいました。例のごとく計画はいっぱいあったのに、その1/10もできませんでした。たまりにたまった、仏像本の入力もまだまだ山積みになっています。『春秋堂文庫』の更新もしなければと思いながら、なかなか進みません。しばらくの猶予をください。
さて、仏像本の入力で、以前からどうしようかと迷っていることがあります。それは、最近とみに出版されている、いわゆる「仏像入門本」です。仏像の基礎的な知識が書かれているので、仏像に興味を持つ導入としては、いいのかもしれませんが、内容がほとんど同じでは、その本にどれだけオリジナリティがあるのかが疑問だからです。その本でしか、知り得ないというのなら、充分にリストアップする価値があるのですが、どうも というのが大半のようです。ちなみに、ここ数年間に発行された本をあげてみます。
- 水野敬三郎編『日本仏像史 カラー版』 2001.5 美術出版社 2500円
- 飯島満・岩崎和子『仏像がわかる本』 2001.10 淡交社 1500円
- 佐伯快勝『仏像を読む』 2002.2 学習研究社・文庫 580円
- 田中日佐夫『日本100の仏像』 2002.3 JTBパブリッシング 1700円
- 谷敏明『図解仏像がわかる事典』 2002.4 日本実業出版社 1600円
- サライ編集部『仏像の見方 メガネをかけたようにわかる』 2002.4 小学館・双書 1200円
- 佐藤昭夫『日本の仏像100選』 2002.5 主婦と生活社 2300円
- 河原由雄『仏像の見方見分け方 正しい仏像鑑賞入門』 2002.8 主婦と生活社 2300円
- 紀野一義/入江泰吉『仏像を観る』 2002.8 PHP研究所・文庫 857円
- 大法輪閣『図解 仏像の見分け方 増補新装版』 2002.11 大法輪閣 1800円
- 松涛弘道『日本の仏様がわかる本』 2002.11 日本文芸社・新書 705円
- 宮元健次『すぐわかる図説 日本の仏像』 2003.3 東京美術 1800円
- 西村公朝/飛鳥園『やさしい仏像の見方 改訂版』 2003.6 新潮社・全書 1300円
- 江里康慧『仏像に聞く 鑑賞を深めるための基礎知識』 2003.6 ベストセラーズ・新書 830円
- 松涛弘道『仏像の見方がわかる小事典』 2003.12 PHP研究所・新書 840円
- 瓜生中『知識ゼロからの仏像鑑賞入門』 2004.1 幻冬舎 1400円
- 宮治昭『仏像学入門 ほとけたちのルーツを探る』 2004.2 春秋社 3000円
- 真鍋俊照編『日本仏像事典』 2004.12 吉川弘文館 2500円
- 宮元健次『仏像は語る 何のために作られたか』 2005.9 光文社・新書 720円
- 瓜生中『仏像はここを観る 鑑賞なるほど基礎知識』 2005.11 祥伝社・新書 750円
- 美術出版社編集部『新全国寺社・仏像ガイド』 2006.3 美術出版社 3000円
- PHP研究所/瓜生中『仏像 仏像鑑賞が10倍楽しくなる』 2006.3 PHP研究所 1200円
- 関信子/山崎隆之『仏像』 2006.4 山と渓谷社 6400円
- 熊田由美子『仏像の事典』 2006.4 成美堂出版 1200円
- 宮澤やすみ『グループ別ですんなりわかるはじめての仏像』 2006.5 河出書房新社 1600円
- 山本勉『仏像のひみつ』 2006.6 朝日出版社 1400円
- 春秋社『仏像はやわかり小百科 新装版』 2006.8 春秋社 1500円
- 瓜生中『知っておきたい仏像の見方』 2007.1 角川学芸出版・文庫 476円
- 田中ひろみ『仏像 大好き!仏像に会いに行こう』 2007.4 小学館 1300円
- 山崎隆之『仏像の秘密を読む』 2007.4 東方出版 1800円
- 向吉悠睦/中村佳睦『やさしくわかる仏像入門』 2007.8 ナツメ社 1400円
- ムック『仏像の本 封印の秘仏と奇蹟の霊験譚』 2007.12 学習研究社 1300円
- 宇野津善光『よくわかる仏像の見方』 2008.3 JTBパブリッシング 1300円
- 北進一『ほとけを知る 仏像めぐりハンドブック』 2008.4 シンコーミュージックエンタテインメント 1000円
- 山本勉『仏像のひみつ(続)』 2008.5 朝日出版社 1400円
- PHP研究所/花山勝友『図解仏像のすべて 新装版』 2008.9 PHP研究所 1100円
- 副島弘道『仏像の楽しみ方完全ガイド』 2008.10 池田書店 1600円
- 岩田茂樹/稲本泰生『やさしい仏像』 2008.10 永岡書店 1200円
- 副島弘道『仏像の見方がすぐわかる本』 2008.11 主婦と生活社 1381円
- 田中義恭『面白いほどよくわかる仏像の世界』 2008.11 日本文芸社 1400円
- 仏像ガール/西山厚『仏像の本』 2008.11 山と渓谷社 1600円
- 広沢隆之『仏像とお寺のなるほど読本』 2008.11 青春出版社・文庫 648円
- 飯泉太子宗『たのしむ仏像』 2008.12 廣済堂出版 1400円
- 副島弘道『仏像鑑賞ガイド 英訳付』 2008.12 池田書店 1500円
- 瓜生中『お寺と仏像 おもしろ事典』 2009.1 PHP研究所 1500円
- 紺野敏文『奈良の仏像』 2009.2 アスキーメディアワークス・新書 762円
- 長岡龍作『日本の仏像』 2009.3 中央公論社・新書 980円
- 山崎隆之『一度は拝したい奈良の仏像』 2009.3 学習研究社・新書 880円
- 一坂太郎『仁王』 2009.4 中央公論社・新書 940円
私が仏像に興味を持った頃は、佐和隆研『仏像事典』がバイブルでした。今でもちょっとした仏像を知りたいときには、ひもときます。この本はいわゆる入門書ではありませんが、仏像の儀軌についての典拠がしっかりと書かれているのが使える本なのです。仏像の名称を覚えるのは、確かに最初はつらいとおもいます。しかし、基礎知識とはそんなに楽しく覚えるものではないと思うのです。同じ体裁で、真鍋俊照編『日本仏像事典』はさらによく書かれています。石田茂作『仏教美術の基本』は写真も豊富に掲載されていましたが、ちょっと高かったので、買ったのはずっと後になってからでした。

これだけの仏像本が出版されているというのは、やはり仏像ブームなのでしょうか。団塊の世代が暇になったので、仏像鑑賞に走ったという説はほんとなのでしょうか。
私が若い頃、趣味は仏像です。といったら怪訝な顔をされました。それ以来趣味が仏像だとは一言も言いませんでした。今、やっと理解されるようになったのかな、とひそかに感じています。
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