富士ラビット
京都駅から歩いて5分ほどの七条通沿いに、富士ラビットという建物があります。竣工は大正12年といっていますが、正面にはAD1922-2002.2の数字があり、おそらくその近辺の完成でしょう。もとは、日光社という自動車販売とタクシー業をしていた会社の社屋として建てられました。その当時ですから、T型フォードの輸入販売をしていたそうです。戦後は富士重工業のスクーター、いわゆるラビットスクーターの販売をしていたようです。
その後取り壊しを検討していたところ、国登録文化財に指定されたのを期として、改装して、1階を「なか卯」に2階をホールに3階を住居にしたそうです。
1階の窓のランマに嵌っているステンドグラスは建築当初のものだそうです。T型フォードとおもわれる自動車がデザインされています。車で郊外にドライブしている様子でしょうか。
中央はタイヤのデザインです。タイヤの溝もちゃんと鉛線であらわしています。
図柄そのものは、単純化しており、ステンドガラスの職人のデザインのようです。しかし、大正時代のステンドグラスがこういう形で残っているのは、京都ならではでしょうか。
ちなみに、ラビットスクーターをご存知の方は団塊の世代以前の方か、自動車マニアの方でしょう。ホンダのカブがでる前は、ラビットスクーターの全盛でした。
私の父は、車キチガイで、サイドカー付のオートバイにのっていました。もう知っている人はごく小数になったでしょうが、ハーレー・ダビットソンの日本でのライセンス生産で、「陸王」というメーカー品でした。排気量は1248cc で、タイヤは小形乗用車並でした。独特のエンジン音がして、父がさっそうと乗っているのを見てカッコイイなとおもったものでした。いつか、ほんもののハーレーに乗ってみたいとおもっていましたが、それもかなわなくなりました。もうこんな重い車を動かす力がありません。残念です。
「ステンドグラス」カテゴリの記事
- 瀧山邸のステンドグラス(2024.09.11)
- 文化のみち二葉館のステンドグラス(2024.08.07)
- 戦前刊行のステンドグラス図案集から(2024.06.07)
- 旧須藤邸 ステンドグラス編(2022.10.06)
- 橋本の香(旧三桝楼)のステンドグラス(2022.05.02)
コメント