清水寺式千手観音(その2)
町田市立国際版画美術館で行われている『救いのほとけー観音と地蔵の美術ー』を見に行ってきました。初日だからなのか、入場料1000円がなんと、本日に限ってタダでした。
これはラッキー! わざわざ雨の日に出かけた甲斐がありました。
今回は、めづらしく日本の仏像に関する展覧会でした。仏像とその納入品の印仏・摺仏などを展示していました。
その中で、カタログの表紙を飾っていた個人蔵の清水寺式千手観音像の画像に注目しました。
この画像は、単独像ではなく、最上部に三十三応身像を配し、その下に風神雷神を配置し、下部には二十八部衆像を描いています。
そして、本面の左右に脇面を配置し、いわゆる三面像となっています。
カタログの解説では、清水寺奧院の千手観音坐像との関係を指摘していますが、清水寺式千手観音像の画像を調べてみると、必ずしもそうとは言い切れないような気がします。
というのは、福井県小浜市の万徳寺の画像では、三面であらわしており、また、滋賀県木之本町の浄信寺の画像も三面です。
【万徳寺千手観音像】
ということから考えると、むしろ、参照すべき違った図像があったのではないかと想像した方がいいのかもしれません。
しかし、個人蔵は、頭上面が17面、しかも如来形、万徳寺蔵は頭上面は21面、浄信寺蔵は頭上面が13面、とバラバラです。
となると、参照する図像の系統も違うと見た方がいいのでしょうか。
【浄信寺千手観音像】
ちなみに、清水寺式千手観音像の画像は、今のところ、13件が確認されています。ただし、三十三所観音図などに描かれている、観音霊場の清水寺の画像と、印仏・摺仏は除きます。
- 東京国立博物館 東京都台東区 鎌倉(14世紀)
- 個人蔵 東京都 鎌倉(14世紀)
- 万徳寺 福井県小浜市 鎌倉
- 天永寺護国院 愛知県名古屋市 鎌倉(14世紀)
- 実相寺 愛知県西尾市 南北朝
- 求法寺 滋賀県大津市 鎌倉
- 延暦寺山内寺院 滋賀県大津市 鎌倉
- 油日神社 滋賀県甲賀市 室町
- 浄信寺 滋賀県伊香郡木之本町 鎌倉後期
- 智積院 京都市東山区 室町~桃山(16世紀)
- 観音寺 京都府福知山市 南北朝
- 金山寺 岡山県岡山市 鎌倉
- ボストン美術館 米国 平安(12世紀)
彫刻の方はまだ調査中ですが、いまのところ45体の確認をしています。まだまだ発見はされそうです。いずれ、まとまればリストアップしようとおもいます。
参照ブログ
更新履歴
- 延暦寺山内寺院蔵を追加(H22.11.15)
« 特別展『東大寺大仏』 | トップページ | 『写真展 小川晴暘と奈良飛鳥園のあゆみ』 »
「仏像」カテゴリの記事
- 『祈りの仏像 出雲の地より』展で思うこと(2022.10.14)
- 羽下薬師堂と西刑部観音堂(2022.09.23)
- 鎌倉彫刻資料集(2021.05.30)
- 『日本彫刻史基礎資料集成』データベース(2020.04.20)
- 狛坂磨崖仏 その1(2018.03.18)
「展覧会」カテゴリの記事
- 新春の東博(2012.01.02)
- 空海と密教美術展(2011.07.21)
- 山武市の仏像(2011.06.05)
- 『仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護』展から(2011.02.09)
- 運慶展(2011.01.22)





コメント