上を向いて歩こう
大地震は、東京の町にも少なからず、被害を及ぼしています。例えば、建物の破損です。とくに窓ガラスの破損は大変深刻な問題です。
今朝通勤途中に見た、建物を紹介します。
まずこのビルのガラスは破損していませんが、窓のまわりのタイルが破損して、そのいくつかは落下しています。今のままですと、余震などが起きると、必ず落下します。下に人がいれば、人身事故になります。
このビルは、オーナーの連絡で、急拠見に行った4階建のビルです。両脇の窓がハメコロシになっており、しかもパテで施工してあります。2面ある窓のうち、ハメコロシ窓はほとんど破損していました。しかも3階の左角のガラスは穴があいています。こんなダンボールでの養生では、破片が落下するのは必至です。
そもそもこの手のビルは、宮城県沖地震の教訓から、1978年、その当時の建設省告示を改正して、3階建以上の建物の帳壁に設けられたはめころし窓は網入りガラス以外硬化性パテ止めによる施工が禁止されたのです。
このビルはおそらく1978年以前に建てられたビルでしょうが、それでも、一部に貼ってあるように飛散防止フィルムを貼っていれば、ガラスは割れても落下する危険性は回避できたはずです。(上の階の窓ガラスには、反射フィルムが貼ってあります。左端のガラスは破損していますが、落下の危険性はとりあえずありません。)
このように、事前に事故を回避する方法もあったはずです。オーナーには、ガラスの修理よりも、まず、ベニヤを貼るなどして、破損したガラスを落下しないように養生することが急務です。と強く訴えてきましたが、どうも、危機感がありません。ビルの下を通らないように禁止措置も取っていません。もしガラスが落下して、人に当たったら、死亡事故になる可能性があります。割れたガラスは刃物と同じです。
もうひとつこのビルは、昨日から、ビルの前の歩道は通行止になっています。そして、随時警察官が見張りをしています。たしかに、上をみてみると、PC板が1枚分落下する危険性があります。これが、落下したら、それこそ大変なことになります。
という具合に、東京の町は危険でいっぱいです。だからといって、外に出ないわけにはいきません。
それで、“上を向いて歩きましょう。”背筋をのばして歩くと、自然と気分が上向きになります。下を向いて歩くと、お金を拾うことはあるかもしれませんが、気分が落ち込みます。
こんな時こそ、胸を張って歩きましょう。
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