登米興福寺の模様入りケシガラス
それでは、今回の旅行の主目的だった登米興福寺の模様入りケシガラスをお見せしましょう。
興福寺の書院には、色ガラスの市松模様の間に模様入りケシガラスが嵌まっていましたが、6種類の模様パターンを確認しました。この中には、初めて見るものもあります。
まずはこれを、花入斜格子文 と名付けました。
格子カスリ文と 名付けた文様は、大小あり、次のは大のほうです。一応 カスリ文 としました。
小のほうは、井桁カスリ文 としました。
上記2種類の模様は、棒状のケシ面の先端をボカシています。ちょっとしたテクニックを使っているようです。
次は、模様の図鑑にもある模様で、麻の葉文。
次も図鑑にある、籠目文。
不老仙館に大量に嵌まっていた、蜀江文。
書院の外部から見ると、普通は、一枚板に、模様を切り抜いて嵌めるか、組子障子にする箇所ですが、この建具が当初(明治20年代)から作り付けられたのかは、よくわかりません。後から建具をはめ込んだとも考えられます。
この書院の次の間の障子には、蜀江文のガラスが嵌まっていました。
模様入りケシガラスは、まだまだ色々なパターンがあるようです。また新たな発見があるのは確実です。
さて、模様パターンから見れば、これは、日本の伝統的模様を使っていますので、国産は間違いのないところです。いったい この模様入りケシガラスは、いつ頃から、どこで加工されていたのでしょうか。また、現在この加工をおこなっている加工場がまだ存在するのでしょうか。この技術が途絶えてしまったのでしょうか。
まだまだ調査しなければならないことが数多くあります。
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