三都旅行(大阪編)大阪市中央公会堂
先日、日帰りで大汗をかきながら、大阪、奈良、京都へ行ってきました。
まずは、大阪編。中之島の大阪市中央公会堂の見学会を申し込んでいたので、その見学から。この建物は貸し部屋なので、使用していると見学が不可になるのですが、当日は、特別室のみの見学となりました。ステンドグラスは、他に中集会室と、小集会室にあるのですが、粘っても見学はだめでした。秋に抽選でその見学会があるそうです。
特別室は、正面の3階に半円形の窓がステンドグラスの嵌まっている窓です。
天井には「天地開闢」、壁には「仁徳天皇」「商神素戔嗚尊」「工神太玉命」と大阪にゆかりのある?モチーフで描かれています。
さて、正面の半円窓は、
両脇の窓にレースのカーテンがあって全体が見渡せませんが、その豪華さに圧倒されます。また、夏の明るい日差しが、より一層、色ガラスの鮮やかさを際立たせています。
特に、鳳凰の部分は、
翼の一部でピンクのグラデーションのかかったガラスは、報告書によると、「硝酸銀蒸着イリデセント加工」をほどこしているガラスで、玉虫色に変化するのです。
外側からみてみると、その見え方がよくわかります。
中央部の四角い窓は、可動窓で、円形の4隅には、大阪市の市章である「澪標」が配置されています。
丸いガラスは、凸レンズで、3種類の大きさで224個使っているそうです。
報告書によると、使用しているガラスの種類は、オパールセントグラス 10種類、キャセドラルガラス 6種類、透明型板 1種類、透明平凸レンズ 3種類で、
ガラスは、全5162片、そのうち、73片は破損のため取り替え、パネル数は、104枚だそうです。
この建物の沿革を、『重要文化財 大阪市中央公会堂 保存・再生工事報告書』によって、述べると、大阪の株式仲買商 岩本栄之助が明治44年、100万円を大阪市に寄付し、公会堂建設のコンペを行って、早大教授岡田信一郎が1等となり、実施設計に辰野金吾・片岡安が当たり、大正2年6月着工、大正7年10月竣工しました。
岩本は、建設中に株式仲買で失敗し、大正5年10月22日ピストル自殺を図り、29日死去しました。享年39才。
ステンドグラス製作者は、「竣成記念冊子」によると、木内真太郎 ということです。
建物は、戦争で空襲にも会わず、残りましたが、平成11年保存・再生工事を着工し、免震構造を採り入れるなどし、現在でも使われている建物です。
それにしても、中集会室大天井にある「花卉と樹林」柄のシャンデリアのさがっている丸窓9箇所、回廊天井の「海と帆船と澪標」の丸窓10箇所、小集会室折り上げ天井の「果物」柄の四角窓3箇所を、まだ見ていません。
なんとか、全てのステンドグラスが見られる見学会を煩雑に開いてもらえないでしょうか。食事付きというオプションはいいですから、橋下さん。
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