九州・滋賀・京都の旅(その2)
11月5日
朝、レンタカーにのり、高速道路で、臼杵へ。臼杵石仏を拝観。ここは、2度目です。以前も修復後でしたので、あまり新鮮な印象がありません。
ただ、以前見落としていた、満月寺をみてきました。何かこの谷間の地形がとても気になりました。
車は、予定を変更して、以前見たことがある犬飼石仏、管尾石仏をスルーして、さらにその先の緒方宮迫石仏へ行くことにしました。
まずは、宮迫東石仏。
車は、大分方面へ向かい、高瀬石仏へ。ここも以前来たことがありましたが、石窟といっても、岩がほんの一部しか残っておらず、平地に残っていた大きな岩を彫っただけのようで、当初の地形の想像がつきません。数年前改修をしたようですが、石仏の彩色も昔のようですし、どこを補修したのか、修理工事報告書をみてみないとわかりません。
つぎに、大分市歴史資料館へ、「ほとけの王国ー大分の仏像」展を見学。
この展覧会の出品の中で、大山寺の普賢延命菩薩坐像、
金剛宝戒寺の不動明王坐像
が“半跏趺坐”でした。大山寺像は10世紀ですが、金剛宝戒寺像は平安後期の半跏趺坐像なので、何か理由が考えられる像ではあります。
市内方面へ向かい、岩屋寺石仏へ。ここは、ほとんど崩落して、尊名もよくわかりませんが、十一面観音立像だけは、かろうじて判別できました。
すぐ近くの大分元町石仏へ。ここは覆い屋があり、保存も行き届いていました。その石仏の横の石仏は、かなり剥落してほとんど形を残していませんが、一具のものとしていいのでしょう。
車を返すにはまだ時間があったので、急遽、喜春館へ、ここは、帆足家本家という造り酒屋の建物を、蔵をレストランや、喫茶店にしています。また、本屋には、洋服の展示即売をしており、各部屋に洋服を飾っていました。
窓ガラスには、手吹き円筒法によるガラスが嵌まっていましたが、一通り室内をみて、庭を歩いていると、色ガラスらしきガラスが嵌まっている建具がありました。また、室内にもどって見ると、便所の廊下に青い色ガラスがはまっていました。
こんなところに、色ガラスを使うとは、なかなかしゃれています。これは、新しい発見で収穫でした。
車を返して、電車で小倉へ、さらに新幹線で新大阪へ、今日は茨木で一泊。
11月6日
朝、京都で、荷物を預け、湖西線で、大津京へ。時間があるので、近江神宮へ。
この近くにはよく来ているのに、今回が初めてです。例の崇福寺塔跡発見の舎利容器が見られると思いましたが、宝物館の開館時間には早すぎで断念。大津市歴史博物館「新知恩院と乗念寺」展へ。乗念寺は、10世紀の聖観音立像、新知恩院は、最近注目の釈迦涅槃像が注目でした。
そして、滋賀県立近代美術館「つながる美・引き継ぐ心」展へ。旧琵琶湖文化館に寄託されている仏像が数多く出品されているとおもいましたが、気になったのは、聖衆来迎寺の銅造薬師如来立像、若王寺如来立像、正法寺帝釈天立像、長福寺阿弥陀坐像、伊崎寺不動明王坐像くらいでしょうか。
正法寺帝釈天立像は、条帛に天衣をして、衤蓋襠衣には置口をつけています。この着衣方法だと、衤蓋襠衣は首回りを大きく開けた盤領で、頭からかぶる衣のようにみえます。
伊崎寺は、以前安土城博物館でも出品されていましたが、あらためて“半跏趺坐”と確認しました。長福寺阿弥陀如来坐像は、いわゆるナタ彫り像ですが、“結跏趺坐”になっています。眼も、眼球のふくらみだけの表現のようです。
京阪電鉄で、京都市役所前で下車。北に向かって歩いて行くと、京都ハリストス正教会があります。今回はじめて、京都非公開文化財特別公開に参加した建物です。東京のニコライ堂と同じくロシア正教会の建物で、教会の祭壇がほかのキリスト教会とは、違った祭壇をはじめてみました。イコンはこのように飾るのかとはじめて経験しました。
南下して、イノダコーヒー本店へ。中にはいると、休日の昼時で大混雑。入口横の扉のランマのステンドグラスの写真をとって退散。
寺町通の中に、今回非公開文化財公開寺院である、誓願寺、安養寺があるのですが、スルーして、四条河原町の近くにある“築地”という喫茶店へ。
2階に通されると、カウンターの横の裏の出入口に色ガラスの嵌まったガラス戸がありました。戸の前に椅子がおいてあり、扉も半開きなので、戸をしめて、椅子をどかしてもらえないかと、ウェートレスの学生アルバイトらしきお姉ちゃんに頼むと、動かせません。そこに入らないでください。とマニュアル対応をされ、しかたなく現状の写真でご勘弁ください。
三門も今回の公開なので、急な階段をあがり、三門上の釈迦像と十六羅漢像、壁画を拝観。中は照明がなく、壁画もほとんど見えない状態でした。持参した懐中電灯で、壁画を照らすと、江戸末期から明治にかけての落書が多数ありました。ほんとはこうゆうのもしっかりと見せるのが必要なのでしょう。
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