鎌倉近代建築の旅
昨日(4月8日)に鎌倉に行ってきました。あいにく一日中雨の中、歩き回りました。
まずは、浄妙寺の境内の奥にある、石窯ガーデンテラスへ。ここは、浄妙寺の谷戸の奥の山の中腹にある、洋館をレストランにした大正11年(1922)の旧犬塚邸です。
内部は、改装されていますが、外観はよく残されているようでした。ここには、2ヵ所のステンドグラスがあります。
このステンドグラスのデザインは、名古屋の撞木館にあるステンドグラスとよく似ています。もう一つは、階段室にあるパネルです。
この建物の設計は、ドイツ人だそうですが、ステンドグラスは日本製でしょう。
すぐ近くの華頂宮邸が春の公開日なので、また見にいきました。
ここのステンドグラスは、シンプルなデザインのものばかりで、あまり特徴がありません。
もうひとつこの土日に公開している、大佛次郎茶亭へ。
大正8年(1919)の建物ですが、ガラス戸は改装されていて、ガラスは見るべきものがありませんでした。
つぎに最近新築した川喜多映画記念館の建物の奥に、旧川喜多邸別邸があります。この建物は、江戸後期の民家を練馬で和辻哲郎が居宅として使っていたのを、鎌倉に移築したものだそうです。土間があって、江戸の農家の雰囲気が残っていました。
鎌倉駅のすぐ近くに、古我邸がありました。駅からこんな近くの広大な敷地に洋館が建っていました。現在はフランス料理のレストランとして、使われています。大正5年(1916)荘清次郎の別邸として建てられた洋館です。結婚式開催中で、中にはいれませんでした。
長谷の方を歩いて行くと、 吉屋信子記念館があります。この建物は戦後の昭和37年(1962)に建てられていますが、設計が吉田五十八で、シンプルな作りになっていました。
そして、このすぐ近くに 鎌倉文学館があります。旧前田利為邸です。昭和11年(1936)竣工の建物です。
内部からのステンドグラスの撮影ができませんが、2ヵ所の丸窓を除いて、シンプルなデザインのステンドグラスをランマに使用しています。その2ヵ所の丸窓も、なぜか、あまりオパールセントグラスを使っていません。流し模様のある、透明な硝子を使っています。この時代になると、ステンドグラスのデザインの流行も少しづつ変化してきたのでしょうか。
もうひとつ、旧諸戸邸がこの近くにありました。今は、長谷こども会館として使われていますが、内部は非公開です。あの、桑名の森林王諸戸清六が大正10年(1921)に買った建物です。創建は明治41年(1908)だそうです。
建築ばかりでは、何か物足りないので、長谷寺へ、リニューアルした旧長谷寺宝物館に入館。現在では、觀音ミュージアムと言うそうです。観音三十三応現神像がガラスケースからよく見えるようになりました。仏像の着衣にちょっと示唆をあたえるような仏像です。
今回のメインは、石窯ガーデンテラスのステンドグラスでした。その他の戦前の住宅は、窓ガラスにに見るべきものがありませんでした。それにしても、雨なのに、シーズンなので、人はどこもいっぱいでした。
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