早稲田大学會津八一記念博物館(旧中央図書館)
大正14年竣工で今井兼次設計の図書館をリニューアルして、平成10年5月、會津八一記念博物館として開館しました。この建物は大学の中で在学中や、卒業後にも大変思い入れのある建物です。
トップライトも枠から新設
学部生のころは、一つしかないコピー機に一時間も待ってとったり、大学院生になると、書庫の中にはいって、書棚の中で立ち読みをしていました。書庫の中には、閲覧室があるのですが、暗い雰囲気でいたたまれず、隣の喫煙室で友人としゃべくっていました。そんなこんなで、卒業して商売をしているとき、取引先のゼネコンから偶然に、早稲田大学のある建物の改修工事の仕事を依頼されました。それが、旧阿部球場跡に図書館が移転した後の2号館(旧図書館)でした。まず工事は、書庫の窓にアルミサッシを被せ、その後新しくガラスを取り付ける工事でした。
それと平行して、横山大観・下村観山筆の明暗という絵画の修復が行われていました。なにせ、直径4m45cmもある世界最大の手漉き和紙なので、大閲覧室に巨大な水槽を作って、そこに、この和紙を浸して、汚れをとる作業をしていました。
ガラスもあちらこちらで破損していましたので、こまかな作業をしていました。その中で、明暗のある大階段の左右に色ガラスを使った窓があります。これも破損していたので、もとの色と同じ色ガラス(キャセドラルガラス)を取り寄せて、自ら補修をしました。鉄枠で狭い作業空間の中でのパテ付けでした。
また、1階の展示室の四方の壁に展示用のガラスを嵌めました。このガラスは、当時発売されたばかりの高透過ガラス(ミュージアムガラス、現在はクラリティア)を使いました。日本で博物館に使ったのは、福島県立博物館の次でした。
大閲覧室の窓は、博物館開館の一年後に枠を撤去して、新たにサッシをとりつけガラスを嵌め、透明のフィルムをはりました。外観がちょっとちがったのは、ブログで書いた通りです。
春秋堂日録[早大旧図書館]https://shunjudo.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_541a.html
学生時代、毎週月曜日にクラブの先輩から言われて、第一学生会館の奥にある會津八一記念室の掃除をしていました。
その後学生運動で閉鎖されて以来およそ30年ぶりの博物館再開でした。やっとかという感慨深いものがありました。
先日、「館仏三昧Ⅱ」を見にいきました。最近の傾向で、写真撮影に対して、理不尽な規制が寛容になったおかげで、どうしても見たい部分が撮れるようになりました。すこしずつではありますが、鑑賞者にとってよくなっています。
日吉館にあった額
恩師加藤諄先生揮毫書
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