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2024年6月 7日 (金)

戦前刊行のステンドグラス図案集から

 去年(2023年9月10日)第62回日本ガラス工芸学会・研究会[関西]で、吉田淳一「大正期に発刊されたステンドグラス図案集から見たステンドグラスの普及」という研究発表がありました。大正期に発刊された図案集から、実際の作品を特定する作業をおこなっていました。その中で気がついた作品を取り上げてみます。これは、すでに指摘されているのかもしれませんが、あえて書きます。
 まず、『建築寫眞類聚 ステンドグラス』大正6年3月25日 洪洋社 の「43 ステンドグラス」の写真です。

No43

輪郭が違いますが、図案は青森・佐瀧邸の玄関ランマとほぼ同一です。

02112

佐瀧別邸(1925)

この双鳥文のモチーフは、鎌倉・石窯ガーデンテラス、名古屋・撞木館、岐阜、千歳楼にその例が見いだせます。

14-204101

石窯ガーデンテラス(1922)

2301

撞木館(1925)

2101

 千歳楼(大正~昭和初期)

 もうひとつ、武間圭一編『近世ステンドグラス圖案集』大正10年 建築畫報社出版部 「PL・NO.19」の写真の内、

No19

左側の図は、九州大学医学A棟(1931)の玄関吹き抜けにあるステンドグラスと類似性があります。

40-13120

40-13113

40-13115

おそらくこれらのステンドグラスはこの写真をもとに作られたとおもわれますが、それでは、この図案は誰が描いたものでしょうか。

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