瀧山邸のステンドグラス
瀧山邸のステンドグラス 大阪市住吉区 昭和8年竣工 令和6年9月見学
先日行われた日本ガラス工芸学会の研究会と見学会で、初めて世に出たステンドグラスです。住宅街にある二階建てのスパニッシュ様式の住宅で、ステンドグラスは、①玄関ランマ、②応接室の丸窓、③応接室入り口のランマ、④玄関横の嵌め殺し窓、⑤2階階段室の丸窓、があります。また、応接室入り口の額入り扉と、応接室の窓の上部に、舶来の型ガラスが嵌まっています。
吉田氏の発表によると、『建築寫眞類聚 スティンドグラス 第二』 大正15年8月5日 の写真を参考にしたと思われるパネルがあるとのことでした。
①玄関ランマ
③応接室入り口ランマは、90 の上部分の写真。
④玄関横の嵌め殺し窓は、92 の左側の写真。
⑤2階階段室の丸窓は、99 の左側の楕円の写真を円形にした写真。
型板ガラスでは、③応接室入り口の額入り扉の額に嵌まっている型ガラスは、CHANCE BROTHERS & CO,,(チャンスブラザーズ)の製品で、“KRISTELLE"という商品名で1900年から発売されています。
下呂温泉・湯之島館
また、ST GOBAIN,CHAUNY & CIREY が1923年に発行したカタログのNO.21にも同様の型ガラスが掲載されています。
日本では、下呂温泉・湯之島館に嵌まっているようです。
応接室窓上部の型ガラスは、調査中です。日本の例では、京都橋本の美香茶寮の玄関の扉に嵌まっています。
京都橋本・美香茶楼玄関扉
ステンドグラスの地の部分のガラスは戦前では定番の“MOROCCO"が使われています。
玄関には泰山タイルが乱貼りされています。
参考サイト
「Chance Brothers:Chance's Figured Rolled Glass Patterns」「Old Window Glass:History of Textured and Patterned Sheet Glass」『Sash Window Specialist』
https://sashwindowspecialist.com/blog/history-patterned-window-glass/
『Manufactures des glaces & produits chimiques de Saint-Gobain,Chauny & Cirey - Catalog,Glass,Omamental Catalogs』
https://archive.org/details/societeanonymede00manu
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