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2025年1月

2025年1月23日 (木)

大覚寺展に思うこと

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 昨日、東博で開催されている『大覚寺展』へ行ってきました。お目当ては、明円作の五大明王像です。博物館では、近くによって詳細に観察することが出来ました。不動明王像も比較的低い位置に安置されていたので、足の組み方を上から俯瞰できました。なんと”半跏趺坐”でした。不動明王像の半跏趺坐は、図像では一般的ですが、彫像では、結跏趺坐と半跏趺坐が入り混ざっています。これは、一体どういうことなのかわからいのです。日本における初現の東寺講堂不動明王坐像、御影堂不動明王坐像は、結跏趺坐なのですが、それ以後、半跏趺坐像が顕れます。これは、図像を元に制作されたと解釈されますが、それでは、結跏趺坐像は何を根拠につくられたのでしょうか。この疑問にどう答えたらいいのか課題が残っています。

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 さて、そのためには、半跏趺坐像がどれだけ存在しているのかを、リストアップする必要があります。ところが、”半跏趺坐”の認識がない研究者が実に多いために資料が集まりません。坐像の解説文に、”半跏趺坐”とちゃんと書いているものがいかに少ないか、また、”左脚を外にして坐る”などいった、わざと半跏趺坐と言わないような表現をしているのがあります。この表現では、いったい結跏趺坐なのか半跏趺坐なのか判明できません。「それでは、もう一方の足はどうなっているの?」と突っ込みたくなります。エッセイではあるまいし、こんなどっちでも取れるあやふやな表現が解説文として跋扈しているのです。しかも、半跏趺坐像と判明している仏像の解説文では、わざと、坐法についての記載を避けている傾向が非常に多くなっています。実際、この大覚寺展の解説文には、一言も書かれていません。写真も、上からの俯瞰がありません。いかに坐法についての興味がないことを物語っています。以前、ある仏像が半跏趺坐像であることをある研究者に指摘したところ、その後、この研究者がこの仏像について書いた研究雑誌の解説文には、坐法の一言もありませんでした。

 さらに、大覚寺像では、『基礎資料集成』平安時代造像銘記篇4の形状項目に、”結跏趺坐”と記載されています。これは、あきらかに事実誤認です。事実誤認は訂正されなければなりません。まして、仏像研究の基礎資料が間違っていたのでは、根本から信頼性がなくなります。このことを指摘する研究者は誰ひとりいません。この業界(学会)はどうなっているのでしょうか? ヌイグルミの不動明王さえ半跏趺坐なのに。ナサケナイ。

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