国会図書館の本ネット公開構想
今日(8月25日)の朝日新聞の夕刊の一面に、“国会図書館の本ネット公開構想”という見出しで記事が載っていました。それによると、蔵書のデジタル化を進め、新設する「電子出版物流通センター」(仮称)にデータを無償で貸し出し、センターがネットで利用者に有料で公開する。というものだそうです。
実現すれば、絶版本などが自宅で手軽に読めるようになる。という利点を述べています。
いかにも、いいことづくめのようですが、どうも、この構想の中には隠れているものがありそうです。
まず、「電子出版流通センター」という非営利の第三者機関をつくるとは、どういうことなのでしょうか。単なる天下り先をまた作るにすぎないのは見え見えです。
利用者から、使用料を徴収して、作家や出版社に分配する。としていますが、そもそも公開は、著作権が切れた書籍・雑誌からはじめるのがスジというものです。そのために、まず国会図書館がやらなければならないことは、特に、明治期および大正期の雑誌の欠本をなくすことが先決です。
だいたい、出版物すべてに、納本の義務を法律で国民に負わせているのですから、国会図書館も、欠本の補充して、もれのない蔵書にするのが、国会図書館としての義務でしょう。国民に義務を負わせて、自身は、何の義務もないのでは、片手落ち以外何物でもありません。
国会図書館の館長の給与は、以前は、国務大臣なみの3,041万円でした。現在はやっと局長なみの2,912万円に下がったと聞いています。
衆・参院事務総長が交代で天下るポストにそんなに給料が必要なのでしょうか。そんな給料をもらっているのなら、全国の古本市に足を運んで、欠本の補充でもしたらどうでしょう。
もうひとつ、戦前の雑誌などは、おおよそマイクロフィルム化が進んでいますが、そのマイクロフィルムはひどいもんです。ちゃんと読めるように、フィルムに映っていないのです。ページごとに露出を設定していなくて、同じ露出で撮影しているものだから、とくに写真などは、見られたものではありません。こんな製品を納入されたら、民間では、即出入り禁止か、無償でやり直しです。おそらく天下り先の業者に隨意契約でさせたものでしょう。利用者はよくガマンしているとおもいます。
おまけに、そのマイクロフィルムをプリントすると、ピントがあまく、字もよく読めません。写真などは、白黒のコントラストが強く、見られたものではありません。よく見ると、同じページをダブって撮っている個所があります。さすがに、これでは見られたものではないと認識したので、再度露出を変えて撮っているのです。つまり失敗作まで製品として納入しているのです。こんな不良品に金を払って国民に提供しているのです。民間では考えられないことです。
国会図書館は、利用者がもっと監視しないと、役人は何をするかわかりません。
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